広報・PRは重要か

スタートアップ企業、ベンチャー企業にとって最も重要なことは
『自分たちの企業がどのようなことをしているのか』
『どのような商品を発売しているのか』
を消費者に知ってもらうことです。
そのため、広報やPRは非常に重要な仕事と言えます。
企業のことを知ってもらうことで、企業の売り上げだけでなく繋がりを確保することができるからです。スタートアップ企業などの壁である資金調達に関しても、企業を事前に知ってもらっておくことでスムーズに進むことができます。

広報やPRと似たような言葉に、宣伝やマーケティングがあります。やること自体はそこまで変わらないのですが、宣伝やマーケティングではどうしても費用が高くなってしまう傾向があるのです。
それに比べて広報、PRですと工夫次第で低費用の運用が可能になります。それに加えて、大きなリターンにも期待できるのです。
広報やPRというのは時間が勝負になります。どれだけ早い段階で自分たちの企業を知ってもらうかが重要になるからです。現在では、情報発信するツールは数多く存在しています。少しずつで良いので、情報発信してみましょう。
まずはプレリリースから始めよう

費用も少なく、スタートアップ企業でも簡単にできるPR戦略として『プレリリース』があります。
プレリリースとは、お客様や消費者様に直接PRするのではなく、新聞社や雑誌社、テレビ局に対して情報を提供することです。
プレリリースは別名『ニュースリリース』とも呼ばれており、弊社の商品を多くの人に認知してもらうためには必ずやっておきたい広報活動の一環で、もっともベターな方法とも言えます。
提供する内容としては、商品の特徴やメリットを簡潔にまとめたり、使用するシーンなどを想定して解説するなどでも大丈夫です。
それをメールやFAX、郵送などにてメディアに送信します。
データの中には大切なものが詰まっていますので、メールであればウイルス対策、郵送であれば特定記録郵便や書留を使うと良いでしょう。
メディアが受け取った後は、担当の記者が確認します。そこで興味を持ってもらえれば情報を元に記事が作られます。場合によっては、取材依頼がくることもあるくらいです。
各メディアへの連絡先が分からない場合などは、プレスリリース配信会社のサービスを利用してみましょう。
1配信の相場は約3万円前後と言われていますが、スタートアップ企業限定で、一定期間のプレスリリース配信サービスを無料もしくは割安で利用できることもあります。

プレスリリースを月4件発信することを目標にする

プレリリースの情報を不特定多数のメディアに送ったとしても、すぐに反応があるわけではありません。
プレリリースを行っている企業は多く、メディア関係者には1日に何百通ものリリースが届くのです。それをすべて確認するのは膨大な作業量ですし、どうしてもスルーされてしまうことがあります。
実績のないスタートアップ企業よりも実績のある大手企業のリリースの方が気になってしまいますよね。
そういったこともあり、最初の方は取材の依頼もなければ、たとえ記事を書いてもらったとしてもすぐに反響があるわけでもないのです。
しかし、それでも諦めてはいけません。
担当者の目に止まるためにも、多くの情報提供をするようにしましょう。おすすめは月に4件ですが、それ以下でも構いません。とにかく、毎月送るのが大事なことなのです。
メディアに情報を送り続けているうちに、どのようなものが反響なあるのかが分かってきます。それを基にメディア毎に送るリリースを決めていくのも一つの手です。提供する情報に困った場合は、
『製品の新機能』『累計顧客数〇〇人突破しました』などの事業進捗だけでなく、業界に関するレポートでも大丈夫です。
スタートアップ企業がプレリリースする際の注意点

プレリリースは、広報活動の代表的なものであり、多くの企業が新しい商品などを開発したりリリースする際に利用されます。
大手企業も活用していることもあり、とにかくプレリリースを出すことが大事だと思われがちです。その考え自体は間違いではないのですが、闇雲にプレリリースをやっても意味がありません。
特にスタートアップ企業はプレリリースを出す際に注意しなくてはいけないことがあります。
それが、プレリリースを出した際の費用対効果が合わないというものです。

プレスリリースを1本作成するだけでも、多くの時間とコストがかかってきます。時間という部分で考えれば、以下のようなものがあります。
・広報する情報を社内でヒアリングする
・その情報を基にプレスリリースを作成する
・完成したプレリリースを上司に確認してもらう
・すべての関係者にチェックしてもらう
これらをすべてやっていたら時間がかかりますよね。
そして、コストの面だと人件費などの目に見えないコストが発生しています。
イメージされにくいと思いますが、実は莫大なコストなんです。
ただし、これだけのコストをかけて結果に繋がることもあります。スタートアップ企業などの資金面に不安がある企業は、無理しない程度のプレリリースを目指すことも大事です。
プレスリリースの結果を受け入れて改善しよう

『プレスリリースを送ったが、取材依頼どころか何も反応がなかった』なんてことは珍しくありません。スタートアップ企業の場合であれば、最初の取材依頼をもらうまでが一つの壁になります。
取材依頼がこなかったことは仕方ないのですが、問題なのは『なぜ取材依頼がこなかったのか』という部分です。
その原因が分からなければ改善することはできません。できる限り理由を検証・分析してみましょう。
・文章の書き方が悪くて読みにくかったのか
・魅力が伝わらずに飽きられてしまったのか
・送ったメディアが興味ない情報だったのか
・リリースするタイミングは合っていたのか
・そもそもPRする情報にニュース性がなかったのか
・それ以外の理由なのか
少し考えただけでもこれだけ出てきます。
プレリリースをメディアに送って終わりにするのではなく、次に繋がるように努力しましょう。
どうしても分からない場合は、メディアに直接連絡を取って意見を聞くのも必要です。答えてくれないメディアも多いと思いますが、しっかりと細かく教えてくれるメディアもあります。
その意見をフィードバックして魅力のあるプレリリースを送れるようになりましょう。
そうすれば全体的なコストも減って満足のいくPRが行えます。
古いネタは書かれない

プレリリースを送る際には、それがいつのネタなのか確認しましょう。メディアによっても若干の誤差はありますが、どんなに良いネタを提供したとしても、基本的には1週間前の出来事を取り上げることはほとんどありません。
仮に記載されることになったとしても、大々的にアピールできる場所ではなく端にある小さいスペースに書かれる程度でしょう。
非常にもったいないですよね。
もし当日にプレリリースを送っていたら大々的に取り上げられていたかもしれないのですから。
このプレリリースを送るタイミングなのですが、実は中堅企業などでも送れることが多々あります。
1週間前どころか2週間前のプレリリースを送ってくることもあるくらいです。
プレリリースが遅れる理由としては、プロジェクトの遅れと連動して広報部に情報が下りてくるのが遅くなるからというのが一番大きいです。プレスリリースは公式の発表と同義ですので、上司や役員の確認が必須になります。文章作成から確認まで行っていたら遅くなりますよね。
逆に考えれば、それらのフローを完璧にこなせればスタートアップ企業でも、当日にプレスリリースを送ることができるのです。
それによって中堅企業を出し抜くことができますし、大々的に取り上げられる可能性が上がります。最初は難しいかもしれませんが、意識して取り組んでいきましょう。
特定のメディアに企画を持ち込む

プレリリースは、一度に多種多様のメディアに情報を提供して記事を書いてもらいます。しかし、多くのメディアを使わずに特定のメディアだけに対して情報を提供するのも一つのPR戦略です。
不特定多数のメディアに情報発信をするよりも、そちらの方がコストを抑えて高いPR効果を発揮することがあります。
たとえば、自社の商品やサービスに興味を持ってくれそうな記事を書いている記者や編集者に直接情報を持っていくなどです。
そこで気に入られれば、取材依頼や交渉などもあるでしょうし、大々的に記事として取り上げてもらえる可能性も上がります。売り込み営業みたいな感じだとイメージしてください。
ただし、この方法を成功させるためには指定のメディアや媒体研究は必須になります。
この雑誌なら自社製品でも興味を持ってもらえそう、この記者の書く記事は自社の製品にマッチしている、など研究してみましょう。
もしライバル会社の似たような商品がすでに取り上げている場合、その媒体は同じジャンルの商品に興味がある可能性がります。
担当者が分からない場合などは、企業の窓口に連絡するなどして積極的にアプローチする行動力が、PR・広報には必要なのです。