プレスリリース作成の10大原則

プレスリリースは昔からあるPR方法です。
そのため、プレスリリースを成功させるための基本的なスタイルや書き方というものが確立されています。
その基本的スタイルをしっかりと押さえることで、メディアの担当者に分かりやすく印象に残るプレスリリースが作成できるのです。
では、作成時にもっとも大切な10原則を紹介するので参考にしてみてください。
①タイトルと見出し、リード(要約)文が勝負を分ける
②情報は正確なものだけを使う
③結論を先に名言しておく
④専門用語は極力少なくし、誰でも分かる言葉を使うようにする
⑤告的な表現や余分な形容詞は使わないようにする
⑥具体的な数字データを挿入する。場合によっては図や表も使う
⑦1センテンスは50字以内にし、3行止まりを目安に記載する
⑧資料は別添にする
⑨読み手が読みやすいようにレイアウトを変更する
⑩情報によって提供するメディアを厳選する
上記の10原則は、必ず守らないといけないというものではありません。
しかし、これらの原則を押さえたプレスリリースは非常に分かりやすく、読んでもらえる可能性が高まります。
それが取材に繋がって大々的に宣伝してくれるかもしれません。まずは、『メディアに興味を持ってもらうこと』を第一に考えましょう。
レイアウトを整えてみよう

紙媒体でなくメールでプレスリリースを送る際には、内容だけでなくレイアウトに気を使うことが大事になります。
タイトルで魅力が伝われば、担当者はその内容を読んでくれます。
しかし、内容自体が良くても読みにくかったら半分も魅力が伝えられないでしょう。そこで、以下のポイントを押さえたレイアウトに挑戦してみてください。それだけで取材に繋がる可能性は上がります。

①飾りの要素は最低限に抑える
②1行は全角35文字程度に抑えるように調整
③本文の書き出しには発行日と会社名、タイトルを添えることが大事
④リード(要約)はあくまで簡潔にまとめる。空白行を活用して文章を区切ることも忘れずに
⑤段落は行間を空けることで読みやすさがアップ
⑥補足資料は本文との情報と結びつけるように工夫する
⑦図版などの詳細情報はサイト上に掲載して誘導する
⑧文末には問い合わせ先だけでなく『会社概要』を忘れずに
内容自体は紙媒体のプレスリリースと同じで問題ありません。
ただし、メールによるプレスリリースは紙媒体よりも多く送られてくるので、なかなか読まれません。
せっかく読まれたときのために、レイアウトを整えておきましょう。そうすれば、今後の印象も良くなってプレスリリースが成功しやすくなります。
5W1Hを考える

プレスリリースの構成を考える際には、まず情報収集をしてからまとめてみましょう。
情報を断片的に集めるのではなく、必要となる情報はできる限り集めることが大事です。
そうしないと、書き始めてから『あの情報を入れたい』『この情報が欠けている』なんてことも珍しくありません。
このようことになると、まとまりもなければ内容にブレが生じる魅力のないプレスリリースになってしまうでしょう。
それを防ぐために覚えておいて欲しいのが、『5W1H』です。
記事の作成やマニュアル作成にも使われる用語ですが、
WHO(誰が)
WHAT(何を)
WHEN(いつ)
WHERE(どこで)
WHY(なぜ)
HOW(どのように)
の頭文字を取ったものとなっています。
この5W1Hをきちんと導入するだけでも文章として完成したものに近付けるのです。分かりやすい情報伝達に欠かせないフレームワークになります。
プレスリリースでは正確な情報と、それを漏れなく伝えることが大事です。
そのため、5W1Hを意識することでそれを防ぎましょう。プレスリリースの構成などで手が止まっている人などは、5W1Hを一つずつ整理していくと効果的です。
どういった内容のものを誰に向けたものなのか分かるだけで読みたくなるプレスリリースになります。
業界や使用用途によって、雛形やテンプレートを使い分ける

プレスリリースと聞くと『新製品の宣伝』のイメージが強いですが、実際はそれだけではありません。
新しく開催されるイベント情報や新しい部署の設立、他の企業との業務提携や合併、人事異動などの会社動向などもプレスリリースとして出されることもあります。
それらの情報に価値があると思ったらプレスリリースを送り、それを見て価値があると感じたメディアが記事を製作するのです。
タイトルや内容はもちろん重要なのですが、それだけでなく雛形やテンプレートを使い分けることも考えてみましょう。
テンプレートとは、構成がすでに完成しているものです。
『構成は作ってあるから、後は文字を記入していくだけだよ』ということになります。
時間短縮だけでなく、しっかりとした構成が作られているので読みやすく理解しやすいようになっています。
プレスリリースの用途によって合っている雛形やテンプレートは異なり、それを活用することで受けても読んで理解する気になるのです。
ただし、すべてをテンプレートで作ってしまうのではなく、自分なりのアレンジを加えるのも大切になります。
同じテンプレートばかり使っていたら、『構成をまったく考える気がないのか?』と考えるメディアも出てきますので印象を悪くしてしまうでしょう。
プレスリリースタイトルの失敗

プレスリリースというのは、送り先であるメディアの担当者が読んで『このニュースには記事にするだけの価値がある』と思わせる必要があります。
そのためには、まず中身を読んでもらわなければいけません。ここで問題になってくるのが、『中身を見てもらえるような魅力のあるタイトル』を付けれているのか、という部分です。タイトルに魅力がなければ、内容に価値があっても読む前にゴミ箱行きになってしまうことも珍しくありません。
もしプレスリリースで良い返事がもらえない場合は、すぐにタイトルを見直してみると良いでしょう。
内容にどれだけの価値があるのか、ストレートに伝わるように表現してみるのです。
ただし、ここで注意してもらいたいのが『コピーライティングテクニック』を用いたタイトルは付けないことです。いわゆる、消費者に対して煽っているような書き方のことになります。
消費者に対しては効果もありますし、とくに問題はありませんが、記者に対して煽るようなタイトル付けはご法度です。
こうした煽り文句で提出するプレスリリースが実はかなり多いのです。
担当者に対する煽り文句は逆効果で、これを見た瞬間にゴミ箱に捨てられるでしょう。
必ずプレスリリースのタイトル付けのポイントを押さえるようにしてください。ここがプレスリリースが成功する第一歩です。
プレスリリースタイトルの基本

送られてきたプレスリリースの中で担当者が一番最初に注目するのは『タイトル』です。
如何に魅力のあるタイトル、インパクトのあるタイトルを付けるかがポイントになります。
そうでなくてば、内容が良くても内容まで読んでくれません。では、どのような感じで作れば良いのかを解説します。
まず長さですが、できるだけ『見た』だけで全体像が把握できる長さが望ましいです。
ここれ大事になってくるのが、読むのではなく見るという部分になります。
多くの担当者はタイトルを最初から最後までしっかりと読むことはありません。
大量のプレスリリースが届いていますので、タイトルだけに時間を取っている暇はないのです。
パッと見て興味が引かれるくらいのタイトルにしましょう。どんなに長くなっても30文字程度に抑えてください。
横で一文に収めることも意識しましょう。改行でタイトルが折り返してしまうと非常に読みにくいです。
『主タイトル(30字以内)』と『サブタイトル(30字以内)』という構成で分かりやすくする方法も使ってみましょう。
注意点としては、インパクトを付けようと思っても誇張した表現をしないことです。たとえば、『!』の多用や文字の色を目立つ色にしたりすることです。これらは逆効果になり、『中身がない宣伝』だと判断されてしまいます。
基本を押さえつつインパクトのあるタイトルをつけるには

ダメなプレスリリースのタイトルとしては、『抽象的』で大げさなタイトルが挙げられます。実は非常に多くのプレスリリースが陥ってるミスで、担当者からしたらまったく印象に残らないものです。
一瞬は目が留まるかもしれませんが、よく読んでみると意味が伝わらないということで放置されることも珍しくありません。それでは非常にもったいないのでポイントをしっかり覚えておきましょう。
タイトル付けで大事なのは、基本を押さえつつ
『正確な情報だけを伝える』
『インパクトのある表現』
の2点に気を付けることです。
『インパクト=大げさ・誇張』ではないことを覚えておきましょう。
正確性とインパクトを同時にタイトルに落とし込むには、『具体的に書く』のが一番です。
具体的な書き方とは、『数字』と『固有名詞』を盛り込むことで解決できます。
すごく簡単に作ってしまえば、『〇〇するために〇〇をすると、結果的に〇〇になる』のような感じで明確に具体的なタイトルを書くようにしましょう。
ダメなタイトルほど使いがちなのが形容詞です。
形容詞とは、人の『主観』による表現方法になります。客観報道が基本である新聞やテレビに馴染みません。できる限り形容詞を使わない表現を心がけてみましょう。
タイトルにかける時間は多くなりますが、それだけ大事ということです。
写真を挿入する

プレスリリースは文字だけで送るよりも、図や表を挟んだり写真を挿入することで成功する確率あ上がります。
とくに写真は非常に効果が高く、ぜひとも1、2枚は入れておいてほしいです。
記者が送られてきたプレスリリースを『価値のあるものか、ないものか』を判断するのに使う時間は数秒~数十秒程度になります。
タイトルだけでも判断材料になりますが、写真があることによって判断材料が増えるのです。
それに加えて、写真であればほんの一瞬で多くの情報を担当者に伝えられるメリットがあります。
『この画像の商品はインパクトがあって興味がある』や『このイベントは消費者に伝える価値がある』などの判断がしやすいのです。
これは新聞社でもテレビ局でも同じで、とにかく『良い画が取れそうだ』と感じてもらえれば一歩取材に近付いたも同然なのです。
写真を撮るコツとしては、1枚で分かるインパクトたっぷりの写真と別角度から撮った写真を用意すると良いでしょう。
プレスリリースで成功する第一歩は、『興味を惹かれるタイトル付け』と『インパクトのある写真』を準備することです。
この2つで最初の勝負に勝てるのかどうかが決まると言っても過言ではありません。
文字だけのプレスリリースで取材に結び付かない企業などはぜひ試してみてください。
リード(要約)文のコツ

リード(要約)文とは、プレスリリースの導入文であり、タイトルの次に重要な部分になります。
リード文の役割としては、『このプレスリリースの内容とそれによってどのような結果が得られるのか』ということが読んだだけで分かるようにします。
簡単に言ってしまえば、このプレスリリースの全体像がリード文だけで分かるということです。
タイトルで興味を持った担当者は、このリード文を読んで本当にニュースとしての価値があるのか見極めようとします。
リード文のコツとしては、『誰が、何をするのか』ということを明確にしましょう。『主語+述語』のイメージで考えると分かりやすいです。簡単な例であれば以下のような感じになります。
・羽生選手が、オリンピックに出場する
・2人の泥棒が、銀行を襲って現金を強奪した
・新しいテーマパークが、大阪に開業する
このように、『誰が何をするか』を書いただけでも、そのニュースが伝えたい本質が分かります。
リード文では、これに少し肉付けして分かりやすくまとめるだけです。そのリード文で伝えたことを、さらに肉付けして解説するのが本文の役目になります。
まずは、本文を読んでもらうためにもリード文で担当者の心を掴めるように工夫してみましょう。
スマートな読みやすさと理解しやすさを追求してください。
重要(結論)は先に書く

物語というものには『起承転結』というものがあります。
始まりから結末まで順序通りに進むことです。起承転結がしっかりしているからこそ、矛盾などもなく読みやすく理解しやすい物語になります。
しかし、プレスリリースに関しては起承転結に固辞していると上手くいかない可能性が高いです。
そこで覚えてほしいのが、起承転結の『結(結末)』を先に書くようにしてください。
結末から書くことによって、もっとも重要な部分に目が行くようにすることができます。
プレスリリースというのは多くの企業から毎日のように送られてきますので、1日で何十通、何百通も確認しなくてはいけません。
そのような中で、起承転結を丁寧に書いていて読まれるかと聞かれれば『NO』です。
メディアの担当者は、タイトルで興味を持ち、リード文で内容を把握します。そこに行き着くまでの時間は10秒ほどです。
このように、読まれるか読まれないかは一瞬で決まります。
最初に重要なことや結論を書くことによって、『なぜそのようなことになるのか』という興味が出てくるのです。
プレスリリースを作成する際には、一番伝えたいこと、重要なことから先に書くことを意識しましょう。
簡潔な文章でネタバレする勢いで構いません。
本文には社会的背景を盛り込もう

タイトルが完成し、それに合わせたリード文ができたらプレスリリースの肝である本文の作成に移りましょう。
本文の作成でやりがちなミスは『商品やサービスのスペック・使用方法の説明』に固執していることです。
実は、このミスは非常に多くのプレスリリースで行われています。
確かにスペックや使用方法は非常に大切な情報ではありますが、それだけだと『ただの宣伝じゃないか』と担当者に思われてしまい、結局はゴミ箱行きになるでしょう。
そこで盛り込んでほしいのが『社会的な背景』です。
たとえば、山口の会社がみかんゼリーを新発売する、というニュースが出たとします。これだけではニュースになりません。
しかし、このゼリーが『地元・山口産のみかんを使用して、それが地域おこしに貢献する』という目的があったら見方が変わります。
みかんゼリーが売れることが結果的に地域社会の役に立つことになるわけです。
その背景には、今の日本が抱える『地方創生』という大きなテーマがあります。そのため、担当者にとってみかんゼリーを取り上げる意義が出てくるのです。

つまり、プレスリリース本文には『あなたの商品やサービスが社会にどのような役に立つのか』という点をしっかりと説明する必要があります。
以上のことに注意しながら、プレスリリースでは、『社会との関わり』を意識して伝えていくようにしましょう。
そうすれば、新聞記者やテレビ記者が、取材を申し込んでくる可能性も上がります。
文章を詰め込みすぎない

プレスリリースの内容を詳しく書きたい気持ちも分かりますが、文字数には気を付けなければいけません。
結構な割合で文字数が多すぎるプレスリリースがあります。
詳しい話や詰めていきたい内容があれば、それは取材依頼がきたときにすれば良いのです。
プレスリリースでは、あくまで読みやすさと内容が理解できる程度の文字数に留めるようにしましょう。
プレスリリースで重要なのは、『ニュースのポイントを簡潔に伝えること』です。
だらだら長く書いてしまうのは、構成作りの時点で情報をまとめきれていないからです。
まずは、『どのような内容にすべきなのか』と『どういった構成で伝えるべきなのか』を最初から考え直しましょう。
できるだけ完成品のイメージとのブレをなくすようにすれば、読み手でも読みやすいプレスリリースが作れます。
長ければ長いほど読み手の時間的負担・精神的負担は大きくなります。
記者にとってのプレスリリースとは、あくまで『取材のきっかけ』であり『興味の対象になるかならないかの判断』でもあります。
それを長々と書かれていては興味がどんどん失われていくでしょう。そのため、プレスリリースは『A4判の紙1枚』に収め、文字数は多くても800~1000文字以内にすることを意識してください。
それだけで格段と読みやすくなります。
最後に問い合わせ先を書こう

本文も書き終わり、後は締めという部分になった際、意外と間違いやすいのが『問い合わせ先・連絡先』を記入し忘れていることです。
プレスリリースの内容に興味が持たれれば、担当者から取材の依頼などが入るでしょう。しかし、連絡先を書いてなければせっかく読まれてもすべてが水の泡になってしまいます。
プレスリリースの末尾には、必ずあなたの連絡先を書きましょう。
連絡歳としてはメールアドレスよりも『電話番号』にするのがベターです。新聞やテレビの記者というのは、少ない時間の中で多くの仕事をしています。
そのため、返信までに時間のかかるメールよりも、すぐに連絡の取れる電話の方を好むのです。
できれば会社の固定電話ではなく、個人の携帯電話にしておくことをおすすめします。やはり、『いつでも担当者と連絡が取れる』という安心感がほしいからです。
夜中に『内容について確認したい』という電話がかかってくることも珍しくありません。
とくに新聞の締め切りは深夜という性質上、新聞社から夜中にかかってくることは比較的多く、携帯電話にしておいた方が喜ばれます。
会社の固定電話だった場合、次の日までは連絡が取れないわけですから。
そのため、プレスリリースの最後には『社名』『所在地』『担当者の指名』『電話番号』は必ず記載し、もしものときのために『メールアドレス』も記載しておくのも良いでしょう。
せっかくの取材チャンスを捨てないように気を付けてください。
内容に価値がない

プレスリリースのことを宣伝ツールだと勘違いしている人も多いのですが、実際は『ニュースを知らせるツール』なのです。
そのため、プレスリリースの内容に価値がなければ知る価値もないため返事も何もないのです。
プレスリリースを成功させるためには、タイトルを見て気になった記者や担当者を内容で引き込ませなければいけません。これが非常に難しいのです。
たとえば、上場企業がプレスリリースを記者や担当者に送った場合、『上場企業が発表しニュース』というだけで価値が多少はあります。
言い換えてしまえば、大手企業はリリース配信サービスを利用することで、『数打てば当たる』作戦でも多少は成功するということです。
しかし、それまでに実績が少ない中小企業やスタートアップ企業では、大手企業のマネをしてはいけません。必ず失敗してしまいます。
では、どうするべきなのでしょうか。会社としてのニュース価値で勝てないのであれば、正面から戦いを挑んでも意味がありません。
そのため、上場企業とは違う方向から攻める必要があります。簡単な方法としては、内容に価値があるネタを意図的につくり、各メディアに売り込んでいきます。
ニュース価値は、意図すれば生み出すことができると覚えておきましょう。
実は、こういったニュース価値の創造に関してはスタートアップ企業や中小企業の方が、意思決定の遅い大企業よりも向いているのです。
記者に読まれてすらいない

『プレスリリースを送ったらとりあえずは確認してくれているだろう。取材が来ないのは内容に問題があったからだ。』と思い込んでいる人もいますが、本当にそれだけが問題なのか考えなくてはいけません。
確かに内容が悪かったのかもしれませんが、そもそも担当者にしっかりと読まれているかも定かではないのです。
一番の問題は、やはりプレスリリース配信サービスを利用した場合です。
メディアにもよると思いますが、基本的にはしっかりと読まれていません。
それは、毎日のように同じテンプレート、フォーマットでプレスリリースが送られてくるからです。
それもかなりの量が一気に送られてきますので、それを一つ一つ確認していてはメディア側も時間が足りません。
同じようなプレスリリースは一括りにされて読まれることはないでしょう。
それに加えて、『この企業はプレスリリース配信サービスを利用して、わが社だけでなく、その他大勢のメディアにも同じようなものを送っている』と判断されてしまいます。
すると、送られてきた情報には『緊急性やニュース性が低い』と判断されてしまい、積極的に読もうとはしないのです。
そういったことも含めると、取材がこないのは『ただ単に担当者に読まれなかった』という可能性が出てきます。
担当者もとても忙しい

これは企業側からはどうしようもできない事情ですが、実はよくある事情でもあるのです。
忙しい理由はさまざまですが、ほとんどの場合が別のニュースに忙殺されていることでしょう。
メディアには毎日のように多くの情報が提供されています。それを各担当者が確認して『価値のあるニュース』と『価値のないニュース』に分けるのです。
そして、価値のあるニュースを見つけたらそれを記事にしなくてはいけません。記事にすると文字にすると簡単ですが、実際は非常に大変な作業なのです。
担当者がこのような状態にいる場合、たとえ提出されたプレスリリースが『この内容であれば、ぜひとも取材してみたい』という考えになっても、時間がなくて取材されることはないというわけです。
残念ながら、このような事情の場合は企業側に落ち度や責任はありません。
タイミングが合わなかった、今回は仕方がなかったと思うしかありません。それによって、実はかなりのニュースだったのに誰にも見られないという事態になるのです。
もしタイトルや内容に問題がなかった場合、このような事情で取材がこないこともあると覚えておきましょう。
これを覚えておくことで、『自分たちのリリースには魅力がない』という誤解を生まないようにできます。
こうした外部要因に関しては、あなたはコントロールできないのですから。逆に、すべてこれが原因だと思って手を抜かないように注意しましょう。
業者が出しているメールアドレスに注意

メールでプレスリリースを送ることも可能です。しかし、この方法だとあまり効果がないのでおすすめしません。
理由としては、『自社含めて大半のメールは読まれていない』からです。
簡単に言ってしまえば、『迷惑メール』と同じような意味合いで取られてしまい、そのまま開封されないか消去フォルダに移動されるだけになるでしょう。せっかく作ったのに見られもしないなんて悲しいものです。
そういった点で注意してほしいのが、新聞社やテレビ局が外部に公開しているメールアドレスは『捨てアドレス』の可能性が非常に高いということです。
とりあえず公開だけはしておくという位置づけであることが多く、そのアドレスに送られてきたとしても見るわけではありません。
会社によっては、30分のお昼休憩から帰ってきただけで何十、何百通ものプレスリリースのメールがきていることもあります。
ほとんどの場合、件名にプレスリリースのことが書かれているので、そのまま見られずに削除されていくのです。
ただし、そんな中にも重要なニュースはあります。それを見極めるのも件名なのです。どれだけ開封されたくなるような件名を付けるのも大事になってきます。
最近ではメールによる送付を歓迎しているところもありますが、やはり電話番号や所在地の方を利用してプレスリリースを送るようにしましょう。
プレスリリース配信サービスを変える

『プレスリリースが上手くいかない』というのは、スタートアップ企業から中小企業まで考えさせられる課題の一つです。
企業にとって自社製品やニュースをPRするのにプレスリリースは非常に便利であり、昔から用いられる方法なので安心感もあります。
そのため、多くの企業がプレリリースを活用したいと思っているのです。しかし、確実に記事にされるわけではなく、ときには数十件プレスリリースをしても取材にすら繋がらないこともあります。
対処方法はいくつかあるのですが、まずは『配信サービスを変えてみる』という方法を考えてみましょう。
そもそもプレスリリース配信サービスは効果が薄いので利用自体考えるべきなのですが、スタートアップ企業などはPRに時間を割けないこともあって利用に踏み切ることもあるでしょう。そういった場合に、今回の対処方法を試してみると効果があるかもしれません。
配信サービスというのはいくつも存在し、最近のメジャーなところだと電子メールによる配信です。
たしかに電子メールによる配信は楽に多くのメディアに配信することができます。多くの企業がメールだけの配信サービスを使っていますが、その他にもファクスや郵送なども活用する配信サービスに変えてみましょう。根本的な解決につながる可能性は低いですが、多少の効果は期待できます。
企画の立て方を変更する

広報担当者というのは、社内から降りてきたテーマを多くのメディアにプレスリリースします。
それが仕事なので仕方ないのですが、多くの広報担当者はテーマをそのまま、右から左にプレスリリースにしているのです。
実は、これでは取材に繋がることはほとんどありません。担当者に取材に行きたいと思わせるほどの魅力を伝えなければいけないのです。
プレスリリースにはさまざまな情報を提供します。
新商品だけでなく、新しく始めるサービスや開催されるイベントなどもプレスリリースとして贈られます。
そのため、これらのニュースは企画段階から『プレスリリースで取り上げられるニュースになる』切り口を盛り込むようにしましょう。
そのためには、広報企画の重要性を社内全体に理解してもらう必要があります。
マニュアルを使用して、しっかりとした意識の共有をしていきましょう。
自社目線で売りたいものをそのまま世の中に出す、という気持ちでは勝ち取れないということも頭に入れておく必要があります。
それよりも、メディアに歓迎される『価値のあるニュース情報とはどんなものなのか?』という点を最初に考え、そこから逆算して発表できるネタを構築する仕組みを社内に作っていきましょう。
プレスリリース送り方を根本的に変えてみる

最近のプレスリリースは記者や担当者に読まれにくくなっています。
その原因としては、『タイトルに魅力がない』など企業側で改善できるものから『担当者が他の案件で忙しい』というどうしようもできないものまであります。
できる限りのことは改善するのはとうぜんのことなのですが、一度『プレスリリースの送り方』について考えてみましょう。
最近のプレスリリースの傾向としては、単なる売り込みチラシやDM(ダイレクトメール)になっています。
決して悪いことではないのですが、その他大勢が行っていることを同時にやっていても効果はありません。
他の企業がやっていないことをやるからこそ担当者の注意や興味を引くことができるのです。少しの工夫でも多少の効果はあります。
気軽にできる部分として、宛名を『手書き』で書いて郵送してみましょう。
プレスリリースとは数多くのメディアに送るので大変だと思います。
しかし、デジタル時代だからこそ手書きが目立つのです。
担当者や記者、ディレクターに個別で直筆の手紙を書いてみるのも良いでしょう。実際にこれで効果を出している企業もあります。
記者フォローは確実に行う

送られたものを担当者や記者が確認するのが第一関門です。
ここを突破しない限りプレスリリースは意味を成しません。
まずは、送った後に電話をかけるなどしてプレスリリースの内容を説明してみましょう。
そうすることによって、『プレスリリースが自分に送られている』という情報を相手に伝えられるので読まれる可能性が上がります。
しっかりと説明が終われば、面会や取材のアポをコチラから聞いてみるのも一つの手段です。
『何月何日に面会して詳しく説明したいです』のよな感じで伝えてみましょう。
ただし、あまりに露骨な方法で面会や取材のアポを取ろうとすると印象が悪くなります。相手から取材の依頼をしてくることも充分に考えられますので、コチラから誘うのはタイミングを考えてください。
このように密なコミュニケーションをやるのとやらないのとでは、プレスリリースの成功率が3倍4倍は変わってくるのです。
メディア側との距離感を詰めていくことが大切になります。
他の企業よりも目を向けてもらうためにも、しっかりとアピールするのです。最初は難しいかもしれませんが、回数を重ねていくことでメディア側の対応も変わってきます。ぜひ試してみてください。
プレスリリースの最終確認事項

メディアにプレスリリースを送る前に、もう一度以下のポイントについて確認しておきましょう。一つずつ厳守していくことで、失敗の少ないプレスリリースになります。
①プレスリリースは記者向けに書くもので、消費者向けに書くものではい
②タイトルだけ見て、小学6年生にも意味が通じるか
③新しさ・珍しさなどのインパクトはあるか
④客観性と具体性が感じられるか
⑤思いが込められているか
⑥本文に社会的な背景が組み込まれているか
⑦プレスリリースと売り込み・宣伝を間違えていないか
上記のポイントをすべてクリアする必要はありませんが、最低でも『消費者向けの宣伝チラシにしないこと』と『商品の宣伝をメインにしないこと』は必ず守るようにしましょう。
記者というのは宣伝が大嫌いですので、少しでも宣伝の匂いを感じ取ったら取材依頼が来ることは難しいでしょう。
社会との関わりだけでなく、ニュースとしての価値を持たせることを意識してつくっていきましょう!